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【POD】ホモロジー代数の最高施設の表紙

【POD】ホモロジー代数の最高施設

高畠 裕輔

出版社
デザインエッグ株式会社
発売日
2026年08月17日頃
ISBN
9784815053819
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あらすじ・内容紹介

完全でないものを、どうすれば測れるのかーー本書『ホモロジー代数の最高施設』は、この一つの問いから出発します。体の上では、すべてが基底をもち、短完全列は分裂し、次元という一つの数がすべてを分類します。けれども、整数環の上や一般の環の上では、その楽園はあっけなく崩れます。割り算ができないというただ一つの事実から、線形代数の秩序は失われるのです。
ホモロジー代数とは、この崩壊を嘆く学問ではありません。崩れ方そのものを測る学問です。包含が等号からどれだけずれているかーーそのずれを商で測る、たったこれだけの定義から、驚くほど豊かな理論が流れ出します。測ってみると、その量は加群の拡大を数え、ねじれを検出し、群の組み立て方を分類し、空間の穴を数え、多様体の滑らかさを判定します。ただ一つの装置がこれほど多くを語るーーここに、ホモロジー代数が「現代数学の共通言語」と呼ばれる理由があります。
本書は、環と加群という舞台から出発します。完全列・射影加群・入射加群・平坦加群、圏と関手とアーベル圏、複体とホモロジー、そして Ext と Tor という二つの導来関手を積み上げます。さらにスペクトル系列という強力な計算装置を手に入れ、群のコホモロジー・可換環の次元論・層のコホモロジー・導来圏という現代数学の最前線までを、一冊で辿りきります。
叙述は「最高施設」シリーズの流儀を貫きました。定義の前に必ず「なぜそれが必要なのか」という趣旨を語り、直観を分かち合い、具体例と反例を惜しみなく添えます。前提知識も外部に委ねず、本書の中で用意しました。
とりわけ本書が力を注いだのは、Ext と Tor という二つの導来関手の「顔」を描き分けることです。拡大の分類とねじれの検出ーー同じ装置が文脈ごとに異なる意味を帯びる様子を、具体的な計算とともに追いました。スペクトル系列も、収束の仕組みを一歩ずつ解きほぐしました。証明はすべて本書の中で完結させています。
「局所的には可能でも、大域的には不可能」--この障害の現象は、数学のいたるところに現れます。ホモロジー代数は、その障害の一般理論です。抽象が具体の問題を解く快さを、行間を残さぬ証明とともに味わっていただければ幸いです。

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