あらすじ・内容紹介
ベンヤミンに始まり、ベンヤミンに終わる、主にドイツ語圏文学作品への、深い共感に貫かれた批評集。ゲルハルト・リヒターなどの美術作家にも視野を広げ、「文学と美術との往還路」を目指す。文学同人誌「北方文学」掲載の批評十篇。取り上げた作品は以下。
多和田葉子『飛魂』『パウル・ツェランと中国の天使』/ヴァルター・ベンヤミン『子どものための文化史』『パサージュ論』/ブルーノ・シュルツ「大鰐通り」「砂時計サナトリウム」他/ハン・ガン『別れを告げない』/津島佑子『狩りの時代』『黄金の夢の歌』/アボリジナル・アート/ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ》/W・G・ゼーバルト『アウステルリッツ』
第一章 不眠の夜、光の正午
不眠の夜、光の正午 --多和田葉子『飛魂』--
「きみ(Du/du)」という天使 --多和田葉子『パウル・ツェランと中国の天使』--
第二章 「不在」からの声
危機の時代の子供たちへ --ヴァルター・ベンヤミン『子どものための文化史』--
ポ・リン/ここにとどまれ --ブルーノ・シュルツ 揺らぐ国境の街でーー
霊魂へのふるまいについて --ハン・ガン『別れを告げない』--
第三章 夢の歌
「内なる差別」を見つめて --津島佑子『狩りの時代』を読みながらーー
アボリジナル・アートと「夢の歌」 --津島佑子『黄金の夢の歌』に寄せてーー
第四章 未知の記憶への旅
「描かれた《ビルケナウ》」の向こう --ゲルハルト・リヒター展を観てーー
時の深みへ --W・G・ゼーバルト『アウステルリッツ』--
パサージュ、遊歩者あるいは夢
ーーヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』とともにーー