あらすじ・内容紹介
本書は、減損計上の対象になる資産の代表例といえる有形固定資産、満期保有目的金融資産について、第1に減損計上の理論的根拠、第2に収益費用観・資産負債観の減損会計への適用のあり方について究明する内容となっている。本書の特徴は、減損計上の理論的根拠に関しては、減損という損失に対応する企業の経済活動があるとすれば何なのか?という視点を重視して検討している点にあり、収益費用観・資産負債観の減損会計への適用のあり方に関しては、収益費用観・資産負債観の会計全体における規定のあり方まで議論を深堀りしている点にあるといえる。より強調すべき特徴は、本書の想定している勘定分類が、山桝忠恕博士が提唱した企業資本等式(現在、企業資本等式の考え方は、笠井昭次博士によって継承されている)に基づく勘定分類であり、この勘定分類を前提にしたからこそ、減損処理に関する説得的な説明方法に辿り着けたということである。
本書を通じて、企業資本等式に基づく勘定分類を前提にすれば、減損処理のみならず、種々の会計処理を説得的に説明できる可能性があることの一端を示すことができたと自負している。そんな種々の会計処理を説得的に説明できる可能性を秘めた企業資本等式に基づく勘定分類の普及に、本書が少しでも役立つのであれば幸いである。