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増補新版 映画の匠 野村芳太郎の表紙

増補新版 映画の匠 野村芳太郎

野村 芳太郎/小林 淳/田中 ひろこ/野村 芳樹

出版社
草思社
発売日
2026年09月29日頃
ISBN
9784794228628
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あらすじ・内容紹介

野村芳太郎は松竹の映画監督で、生涯88本の作品を残した。『砂の器』『張込み』『拝啓天皇陛下様』『五辨の椿』『事件』『震える舌』などの作品がある。ミステリーや犯罪映画から、コメディ、時代劇、青春もの、歌謡映画まで、多くは娯楽作品である。
 この本はその松竹娯楽映画の伝統を背負った職人監督の、映画作りにかけた人生を自身の言葉や関係者証言など多くの資料をもとに描き、創作の秘密を解き明かしたものである。2020年に最初の版が出て、その年のキネマ旬報「映画本大賞」に選ばれた名著であるが、今回松竹の「野村芳太郎再評価」プロジェクトに合わせて、新資料を増補し、決定版として刊行した。
 カバーは『拝啓天皇陛下様』の渥美清の大きな顔写真である。この作品は野村監督も自身の代表作と言っている作品だが、山田洋次監督の『男はつらいよ』の原型となったもので、本書の序文に山田監督は「わが師、野村芳太郎」という跋文を寄せている。山田洋次監督の兄貴分というか、まさに師匠的存在である。
 また『張込み』『東京湾』『ゼロの焦点』『影の車』『砂の器』など松本清張原作、橋本忍脚本、川又昂撮影(一部違う)のドキュメンタリータッチのミステリー映画も記憶に残る。松本清張とは霧プロダクションという会社を作っていたし、橋本忍とは氏の監督作『幻の湖』(怪作!)を手伝っている。
 今回補足した資料では1日大芸術学部で行った野村監督へのロングインタビューを掲載した。ここで氏は生い立ちを詳細に語っているが、祖父は二代目野村芳國という芝居絵師、父は戦前の松竹の大監督で蒲田撮影所長でもあった野村芳亭。芳太郎は蒲田撮影所内の芳亭の家で育った生粋の映画っこ。2として従軍経験を生々しく語っているインタビューを入れた。氏は最も過酷と言われたビルマのインパール撤退作戦に従軍し「白骨街道」を生き延びた。その体験をもとに映画化の企画を温めていたが実現せず、テレビドキュメンタリーとなった。
 この本は文字通り松竹映画とともに生まれて生きた一職人監督の誠実な映画作りを作品ごとに記録した(本人のノート、関係者の証言、写真類、詳細なフィルモグラフィー、年譜など)労作であり、
読みごたえがあり映画史、昭和史の資料としても貴重な一冊である。

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