あらすじ・内容紹介
ジャーナリズムなき世界が訪れる前に
「メディア批判」を超えて未完の理念を問う
公権力に強く依存する情報収集と形式化した客観報道によって自縛されるメディア。そもそもジャーナリズムが掲げる理念や規範はどのように生まれたのか? 現在の新聞の起源は19世紀米国の「ペニープレス」(1セント新聞)に求められる。ペニープレスは広告収入と都市中産層読者を軸とするビジネスモデルを築き、シカゴなど中西部諸都市では市政の腐敗を正す市民運動と共闘した。そこからプレスの独立、公共奉仕、権力の監視といった諸理念が生まれた。他方、今日のジャーナリズムが最重要規範とする客観報道は、第一次世界大戦中のプロパガンダやその後の「パブリックリレーションズ」(PR)の猛威に対抗して作り出された理念だが、誕生と同時に形式化していく。ジャーナリズム再生の契機はどこにあるのか? 発展の中心となってきた米国を軸に200年の歴史から検討する。
第一章 シカゴジャーナリズムの実験
第二章 ペニープレスーー現在の新聞の直接の祖先
第三章 プロフェッショナル化運動と「プレスの独立」理念
第四章 世界大戦と客観報道
第五章 客観報道への異議申し立て
第六章 オルタナティブとしてのフランスジャーナリズム
終 章 ジャーナリズム理念の現在地と近未来