あらすじ・内容紹介
本書は、神奈川大学人文学研究所の日中関係史共同研究グループが中国人留学生と日本を研究対象にした6冊目の論文集である。前回の論文集は明治から昭和に至るまでの時系列に沿った企画であったが、今回は、近代知識の受容とネットワーク形成という補助軸を立て、清末中国人留学生と日本との関係、マルクス主義という思想と翻訳との関係、文化と芸術分野との関係、各地方や地域ネットワークとの関係にそれぞれ焦点を絞ることとした。(「まえがき」より)
まえがき(孫安石)
第1部 清末中国人留学生と日本
日清戦争以前の東京における中国人学生ーー東文学堂学生と華僑・華人学生(川島真)
広東同文館の設置と長谷川雄太郎の研究補遺(孫宏雲〔孫安石訳〕)
「宇都宮太郎関係文書」中の陸軍中国人留学生関係資料について(櫻井良樹)
清末の中国人陸軍留学生教育政策の変遷について(張希)
第2部 思想と翻訳
一九〇〇年代初の中国人留学生による社会主義知識の翻訳(郭夢垚)
『共産党宣言』の初期中国語訳者「蜀魂」に関する一考察(項旋〔川尻文彦・椎屋伽蓮訳〕)
中国マルクス主義と中国人日本留学ーー日本留学経験者による人的ネットワークとマルクス主義に関する学知の伝達(川尻文彦)
第3部 文化・芸術と留学生
清末における中国人日本留学生による音楽活動の再評価ーー「亜雅音楽会」を中心に(郭君宇)
東京音楽学校留学生・柯政和と北京における音楽活動(鄭暁麗)
二〇世紀初頭の私費留学生銭稲孫と『源氏物語』--講義・底本考(稲森雅子)
第4部 地域ネットワークと組織化
清末の湖南省留日学生同郷会の組織と運営ーー宋教仁と黄尊三の日記を中心に(胡穎)
清末民国期の広西省出身留学生ーー日本留学の地域ネットワークとアジアへの拡大(吉川次郎)
広東省の留日学生関連の統計資料ーー清国留学生会館、『官報』、中華民国留日学生監督処、日本外交史料館、台湾国史館の資料を中心に(孫安石)
日本の地方師範学校と「満州国」留学生(見城悌治)