あらすじ・内容紹介
近代に染まる寸前の日本を科学者の目が見つめていたーー
菓子屋の看板、人力車、屋敷の屋根瓦、和服の装い、そして、穏やかに暮らす人々。
大森貝塚の発見で知られるモース、その鋭敏な眼差し惹きつけられたのは、明治最初期日本の何気ない日常の営みだった。
東京大学教授として滞在する2年間にのこした、膨大なスケッチと日記には、卓越した科学者ならではの観察眼と、異文化を楽しむ喜びが満ちている。
彼が日本で出喰わした愉快な経験の数と新奇さは、ジャーナリストも汗をかくほどのものだ。
人通りの町を一列縦隊で勢よく人力車を走らせると、一秒ごとに新しい光景、新しい物音、新しい香り……
明治十年代のまだ近代に出会ったばかりの列島の生活を、モースは驚きと敬意をもって見つめていた。
当時の生活文化を記録した重要資料であり、なおかつ読んで見て楽しめる明治日本見聞記。(解説・牧野陽子)
※本書の原本は1939年に創元社より刊行された抄訳本です。
一 一八七七年の日本──横浜と東京
二 日光への旅
三 日光の諸寺院と山の村落
四 再び東京へ
五 大学の教授職と江ノ島実験所
六 漁村の生活
七 江ノ島での採集
八 東京の生活
九 大学の仕事
十 大森に於ける古代の陶器と貝塚
十一 六ケ月後の東京
十二 北方の島 蝦夷
十三 アイヌ
十四 函館及び東京への帰還
十五 日本のひと冬
十六 長崎と鹿児島とへ
十七 南方の旅
十八 講義と社交
十九 一八八二年の日本
二十 陸路京都へ
二十一 瀬戸内海
二十二 京都及びその附近での陶器さがし
二十三 東京に関する覚書
二十四 鷹狩その他