あらすじ・内容紹介
コンクリート構造物は、住宅、道路、鉄道、ダムなどのインフラ施設として活用され、我が国の安全で豊かな社会の形成に大きく貢献している。特に、鉄筋をコンクリート断面内に配置した鉄筋コンクリートは、優れた構造性能を有することから、多くのコンクリート構造物に使用されている。この鉄筋コンクリート構造は、耐震性能に代表される構造性能のみでなく、耐久性にも極めて優れた性能を有する。鉄筋は腐食しやすい材料であるが、pH12.5程度以上の健全なコンクリートの中にあれば、腐食が生じることなく健全な状態で長寿命な材料として使用することができる。
このような鉄筋コンクリート構造は、設計、施工、材料の3 条件がすべて満足することにより、期待した性能が発揮できるものである。実際に100 数十年にわたり、過酷な自然環境の下で供用されているコンクリート構造物は数多く存在している。土木技術者として、これらの3 条件は、コンクリートの技術、コンクリート標準示方書、レディーミクストコンクリート[JIS A5308]を習得することが基本となる。ただし、これらの知識は膨大な専門技術から構成されているために、習得することは困難であるといえる。
このような背景から、必要な情報を簡潔にまとめた基礎資料があれば、実務者へ有効に使用されると考えた。本書は、写真や図を的確に活用することで、具体的なイメージをつかむことができる。そこで、「第1 章 コンクリート」は、「コンクリートとは」で長寿命構造物の事例紹介、「レディーミクストコンクリート」で[JIS A 5308]ポイントの解説、「土木コンクリート」でコンクリートの配合例の説明を行った。そして、第2 章から第9 章の各章の必要ポイントを理解することで、各章の専門的知識の習得へ導くことを念頭に構成をしている。
本書は、コンクリートの知識を広げ、土木技術者として様々な場面において活躍できる必携の資料である。