あらすじ・内容紹介
「知の考古学」の底を探る
いったん心理学へ傾きかけた学的関心を、あらためて哲学に転回することになったのはなぜかーー。
フーコーの近年公刊された、修士論文および博士論文草稿などを導き手にその思想的源流を遡り、ヘーゲル、フッサール、ハイデガー、メルロ=ポンティらの思想と対峙する「哲学者」の相貌を描き出す。
前著『フーコーの〈哲学〉』(岩波書店)とともに、フーコーの「考古学」を「現在の診断」として、ここに再生させる。
「本論」「補遺3」書き下ろし。
まえがき
第1章 狂気と理性ーーデカルトを読むフーコーとデリダ
1 理性と歴史の単一の城ーーフーコーのヘーゲル主義
2 「けれども彼らは狂っているsed amentes sunt isti」
3 フッサールの「歴史」概念
第2章 精神現象学としての『言葉と物』
1 二つの「序文」(『狂気の歴史』と『言葉と物』)--フーコーの経験主義
2 経験されるエピステーメー
3 エピステーメーという「自己」の歴史
4 「歴史的超越論的なもの」--ヘーゲルとフッサール
5 「問題的なもの/問題設定la problematique」の概念
第3章 「真のヘーゲル主義」
1 起点としての『デカルト的省察』
2 後退、前進、円環
3 我々観察者
4 超越論的主体
第4章 考古学者フッサール
1 心理学と人間学
2 人間学という形而上学
3 世界の起源
4 体験の流れと異邦の観察者
第5章 フッサールの存在論、あるいは自ら経験になる哲学
1 ニーチェの影
2 「存在」と平行関係
3 ヌース、ラチオ、理性ーー「非理性」の発見
4 理性の論理学あるいは存在のロゴス
第6章 「狂気の歴史」という歴史
1 カントの『人間学』
2 狂気、作品の不在、定義の不在
3 錯乱delireと妄想delire--歴史へ
4 終わりにーー人間学的円環から〈言葉とことがら〉へ
補遺1 〈カフカを読む〉ということーーモーリス・ブランショの« Sache selbst »
補遺2 〈哲学者〉レーモン・ルーセル
補遺3 『レーモン・ルーセル』と『臨床医学の誕生』における言語と死
補遺4 〈心〉いまだ実在せず
あとがき
索引