あらすじ・内容紹介
本書は,ある精神科クリニックで実践を行ってきた臨床家,そして協働・連携してきた児童福祉領域に携わる多職種による親子への「こころのケア」の実践・実際を紹介したものである。
児童精神科,保健福祉センター,児童相談所,児童養護施設,母子生活支援施設,子ども家庭支援センター,学校,家庭裁判所……。それぞれの現場の困難さにどう向き合ってきたのか。「こころのケア」をめぐる迷いの中で,親子をいかに支援してきたのかを描いた。
臨床家のみならず,こどもの臨床現場に携わるすべての支援者に読んでほしい一冊。
第1部 今日の児童思春期精神科医療
第1章 診察から見えてくるもの 松谷克彦
第2章 こどもをめぐる地域臨床 松谷克彦
第2部 日常に寄り添う児童福祉の実践
第3章 ソーシャルワーカーは児童虐待にどのように向き合うのか 佐藤 剛
第4章 当事者に寄り添い,対話し,支援を展開するということ 石山智子
第5章 児童養護施設におけるソーシャルワーク 新藤千佳子
第6章 母子生活支援施設における精神科医療との連携の実際 代 裕子
第7章 父母の離婚紛争における権利主体としてのこども -「子どもの手続代理人」を知っていますか 池田清貴
第3部 こどもの成長を支えるための親・家族支援
第8章 こどもの心理療法を支える親面接における内省プロセス 吉沢伸一
第9章 「親子並行面接」と「同一セラピストによる並行母親面接」における内省プロセス 吉沢伸一
第10章 変わりゆく思春期のこころの分離と親面接 井本早織
第11章 こどもを抱える環境を支えるということー従来の「親面接」とそこからこぼれ落ちるものの間で 亀居美紀
第12章 メンタライジング・スタンスからみた親とのワークーこどものセラピーの中で「ともに考える」関係を育む 相澤みゆき
第13章 親子プレイセラピー 親子の回復と治癒プロセスを支える遊び 湯野貴子
第4部 こどものこころを育む心理療法
第14章 「遊ぶこと」の実際ー内容でも言葉でもなく 岡本亜美
第15章 ADHD様症状を呈するトラウマを抱える児童への心理療法 -悪循環の対人相互作用から脱却するための協働 吉沢伸一
第16章 ASDと世界に馴染めない感覚について飯野晴子
第17章 小児期逆境体験とハームリダクションー思春期・青年期の臨床 飯野晴子
第18章 不登校中学生を対象とした「セラピーとしての思春期グループ」-受身的でひきこもり心性の強いメンバー間での初期不安をめぐる交流 吉沢伸一