あらすじ・内容紹介
心理療法の神髄へーー
学派の差異を超えて心理療法の多元的小宇宙を渡り歩く、碩学ポール・ワクテルの最高到達点にして、並ぶものなき統合的心理療法原論。
知性的理解よりも「今ここの感情体験」を、問題の認識よりも「安心と受容」を、愛着のカテゴリーよりも「愛着の力動」を、洞察・気付き・認知よりも「修正感情体験」を、そして心の深層を規定する「社会・文化」をーー個人の心理現象は外部環境=対人関係に呼応することを前提とした「循環的心理力動アプローチ」に新たなパースペクティブを交差させ、心の空間から締め出されたエッセンスを奪還する試み。
『心理療法の統合を求めて』、『心理療法家の言葉の技術』、『心理療法家の言葉の技術[第2版]』、『ポール・ワクテルの心理療法講義』、『統合的心理療法と関係精神分析の接点』に次ぐポール・ワクテル第6の主著。
序文
第1部 導入
第1章 思考と感情のための心の空間を作るーー愛着、自己受容、今ここの感情
第2章 学派の閉鎖的傾向とステレオタイプ、多様な競合的諸アプローチの進化上の結びつき
第3章 責任ある臨床実践のための適切なエビデンスの基盤とは?
第2部 病理化を超えてーー受容と変化の弁証法
第4章 願望と感情を解釈することから心の空間を作ることへーー「真実」を暴くことの問題
第5章 病理化と非難的解釈のルーツ
第6章 不安、エクスポージャー、そして自己受容への道
第7章 CBTにおける心の空間作りーーベックとエリスから受容と変化の弁証法へ
第3部 愛着と生涯にわたる発達の力動
第8章 自己受容と自己拒絶ーー愛着の決定的な影響力
第9章 現在において過去の結果に取り組む
第4部 世界ー内ー生活
第10章 体験過程、今ここの感情、そして動的自己
第11章 文脈の中の人生ーー関係図式から文化と社会の影響まで
第12章 心理療法のさまざまな顔
訳者あとがき(杉原保史)