あらすじ・内容紹介
本書は,コンパッション・フォーカスト・セラピー(CFT)の本質を大切にしつつ,慢性的なうつや強い自己批判,「声を聴く体験」に悩む当事者が自らの力で実践できるセルフヘルプとして丁寧に編まれた一冊である。当事者はもちろん,ご家族や友人,医療・福祉の支援者,そして心の問題に関心のあるすべての人に役立つ内容となっている。
専門家としての知見を持つチャーリーと,当事者の視点を持つエレノアによる共著であり,学術的に重要な点と日常生活で活用できる実践が,わかりやすい言葉でまとめられている。セルフヘルプ本でありながら,CFTの考え方や練習を要点を損なわない形で盛り込み,セラピーの本質をしっかりと伝えている点が本書の大きな特長である。
また,本書では「幻聴」ではなく,あえて「声」という言葉を用いている。これは,声が聞こえる本人の感覚や尊厳を大切にし,医学的な枠組みに限定せず,広い視点で体験を捉え直すためである。「声」は,実際に聞こえる体験だけでなく,私たちが日常的に頭の中で自分に語りかける内言や思考としても理解できる。そのため,特定の症状の有無にかかわらず,多くの人が自分自身を助けるために活用できる内容となっている。
訳者まえがき●池田直矢
コンパッション・フォーカスト・セラピーを用いた”声”への関わり方
ポール・ギルバート教授による序文
謝辞
本書の使い方に関するいくつかの提案
第1部 はじめに
第1章 幻聴ーー人間の正常な体験
第2章 コンパッション・フォーカスト・セラピーとは何でしょうか? そして,幻聴が聞こえる人たちをどのようにサポートできるのでしょうか?
第2部 旅の始まり
第3章 安全 と 安心
第4章 コンパッションの自己を育む
第3部 コンパッションを持って関わる勇気
第5章 あなたとあなた自身の感情にコンパッションを持った関わりを持つ
第6章 あなたの“声”に対してコンパッションのある理解を深める
第7章 あなたの“声”とコンパッションを持った関係を築く
最終的な感想
付録1 ロールプレイの台本
付録2 リソースリスト
付録3 文献
訳者あとがき
索引