あらすじ・内容紹介
障害をもつ人という法的概念を「世界人権宣言」「国際人権規約」に基づいて検討し、その法原理の系統を解説。さらに、障害者に対する社会保障の理想的な水準を英仏など社会保障先進国の例をとり検証し、日本の遅れた実態を各種の調査をもとに紹介する。
はしがき
第 I 部 障害をもつ人のノーマライゼーション思想とその進展
第一章 障害をもつ人の社会的地位の進展
第一節 総説
第二節 ノーマライゼーション思想の発展過程
1 発生国・デンマーク
2 承継・発展国・スウェーデン
3 ヨーロッパ大陸国(フランスの場合)
4 アメリカ——ADA
第三節 国連におけるノーマライゼーション思想の進展
1 世界人権宣言
2 国際人権規約
(1)経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約
(2)市民的及び政治的権利に関する国際規約
3 社会的発展と開発に関する宣言
4 知的障害をもつ人の権利に関する宣言
5 障害をもつ人の権利に関する宣言
6 国際障害者年関係決議
(1)障害者に関する世界行動計画
(2)障害をもつ人の機会平等化に関する基準規則
第四節 障害者権利条約
1 本条約出現の過程
2 条約の概要
3 障害者権利条約の検討
(1)本条約の構成
(2)総則的規定
(3)実体規定
第二章 障害をもつ人の福祉をめぐる法的諸思想(法原理)の系譜
第一節 完全参加と平等
第二節 インクルージョン(社会的融合)およびインテグレーション(社会的統合)
第三節 機会平等=差別禁止
第四節 自立、自律・自己決定
第五節 エンパワーメント
第六節 国連・障害者権利条約における新思想、新概念
第七節 ノーマライゼーションを越えて
第三章 ノーマライゼーションの本質
第一節 障害をもつ人の求めた市民法三原理
第二節 ノーマライゼーションの本質
第II部 障害をもつ人の生活実態と所得保障の理論
第一章 障害をもつ人の生活実態
はじめに
第一節 公的調査による生活実態
1 厚生労働省調査「障害者の生活状況に関する調査」
2 国立社会保障・人口問題研究所調査「第一回障害者生活実態調査研究」
3 平成一五年度東京都「障害者の生活実態調査」
4 厚生労働省「身体障害者・知的障害者及び精神障害者就業実態調査」
第二節 民間調査による生活実態
1 無年金障害者の会「無年金障害者の実態調査」
2 きょうされん(共同作業所連合会)調査
3 日本障害者協議会(JD)「障害者自立支援法の影響:JD第一回調査2006」
第三節 在日外国人の生活実態
1 在日外国人「障害者」の年金訴訟を支える会「在日外国人無年金障害者の生活実態ならびに生活史の調査」
第四節 障害をもつ人の実態調査のまとめ
1 居住関係
2 就労関係
3 所得関係
第二章 現行所得保障法制における障害給付の位置と性格
第一節 社会保障体系論概説
第二節 国民皆年金思想の登場
第三節 拠出制・無拠出制の年金と最低生活保障
第四節 無拠出年金の法的性格
第五節 八五年改正での障害年金の性格変化
第六節 一九八九年以降の年金改正について
1 学生の強制加入化
2 学生納付特例制度
3 年金財源への国庫負担の問題
第七節 障害をもつ人の所得保障のまとめ
第三章 主要各国の障害年金
はじめに
第一節 フランス
1 概要
2 障害保険制度
第二節 ドイツ
1 概説
2 制度の概要
3 最近における障害年金改革
第三節 オランダ
1 概説
2 制度の概要
3 今後の展望
第四節 スウェーデン
1 概説
2 制度の概要
第五節 イギリス
1 概説
2 制度の概要
第III部 学生無年金障害者訴訟と特別給付金制度
はじめに
第一章 判決とその検討
第一節 第一審判決の要旨
第二節 控訴審判決の要旨
第三節 上告審判決の要旨
第四節 検討
1 第一審判決について
2 控訴審判決について
3 上告審判決について
第二章 障害者特別給付金制度について
第一節 前提となった坂口試案
第二節 議員の対応
第三節 その概略
第四節 本制度についての疑点
付録 学生無年金訴訟についての参考資料
I 障害基礎年金不支給決定取消等請求事件——訴状
II 学生無年金訴訟(東京地裁「身体」)への意見書
III 無年金障害者対策に関する緊急決議
IV 議連方針
V 年金を受給していない障害者について(合意)