あらすじ・内容紹介
地図を読みとける人はどのようにして地図を読めるようになったのだろうか? そのような方は、地図そのものや地理に関する知識を暗記するのではなく、多くの地図をみてきた人が多いだろう。同じ町でも城下町とそうでない町、同じ道でも新しい道と古い道が、地図を読み込んでいくうちにわかってくるのである。本書では、読者がこの過程をたどることができるように、多くの地図からエッセンスを抜き出し、複数の事例を見比べられるように構成している。
地理は暗記科目だという風潮もある。しかし2022年度から高等学校で「地理総合」が必修となったほか、新学習指導要領では「地図や地理情報システムなどを用いて、その情報を収集し、読み取り、まとめる基礎的・基本的な技能を身に付ける」ことが求められている。今までの暗記型の知識ではなく、本書で紹介するような地図を読む力が求められてきている。
本書では、地図の縮尺ごとに章立てをし、それぞれの地図で読みとけることの違いを示した。第1章では広域の全体感をつかむ内容で縮尺は20万分の1、第2章では地形の細部を読む内容で縮尺は5万分の1、第3章では都市の構造を見る内容で縮尺は2万5千分の1、第4章では都市の細部、街区や区画を見つめる内容で縮尺は1万分の1で表された地図を紹介している。地図はおもに明治以降統一書式で刊行され、見比べることができる国土地理院の地形図を紹介しているが、本書でもっとも多くのページ数を割いている第2章では、全国整備されて間もない電子地形図50000を多数掲載している。都市部では民間地図会社が作成した都市地図も積極的に収録している。とくに第4章ではこういった地図を中心に紹介している。同じ地域を複数の章(縮尺)で紹介している例も多いので、小縮尺の地図で全体感を、大縮尺の地図で細部をみることで、それぞれの縮尺でどう描かれるかが体感的につかめるだろう。さらに、読者のみなさんの土地勘がある地域の地図と見比べていただくとよい。
スマートフォンやインターネットで、より簡単に地図をみることができるようになった今だからこそ、読み通して欲しい一冊。