あらすじ・内容紹介
天才物理学者シドニー・コールマン(1937‒2007)が1960年代後半にハーバード大学で行った講義を、当時の大学院生であったデイヴィッド・J. グリフィス(David J. Griffiths)、デイヴィッド・レヴィン(David Levin)、そしてのちにノーベル物理学賞(2004年)を受賞するデイヴィッド・ポリッツァー(David Politzer)の3人が取ったノートを基に、半世紀以上の時を経て統合・明確化したものである。そこには、コールマン独自の鋭い視点と緻密な議論が鮮やかに再現されている。
他の一流教科書が幾何学的な記述を前面に押し出すのに対し、本書は現代物理学の基本原理から一歩一歩、揺るぎない論理を積み上げ、複雑な迷宮に迷い込む前に「物理学としての骨格」を確実に掴ませる。入門書では省かれがちな高度なトピックや理論の裏に潜む微妙な論点、学生が抱くであろう疑問までも、コールマンは先取りして明快に解き明かしていく。
相対性理論という、物理学のなかでも最も美しい理論のひとつを学ぶにあたり、コールマンの講義は、その美しさが単なる装飾ではなく、論理の必然から導かれるものであることを教えてくれる。素粒子論や宇宙論を志す学生から、一度学んだ理論構造をより高い視点から見つめ直したい研究者まで、本書は最良の道標となるだろう。