あらすじ・内容紹介
古典籍・古文書・短冊など、七〇〇〇点・二万冊を所蔵し、国文学関連の資料庫として屈指の規模である「正宗文庫」。
これらの資料を集めたのが、国文学者にして歌人である正宗敦夫(まさむね・あつお)(一八八一〜一九五八)である。
備前から出ることなく万葉集研究に打ち込んだ敦夫は、印刷機を購入して短歌雑誌を発行したり、埋もれた歌人の発掘に取り組んだりと精力的に活動を続け、与謝野寛・晶子夫妻とともに一九二五年に「日本古典全集」を刊行、三一年には、現在も万葉集研究に必須とされる「万葉集総索引」をまとめた。
彼の蒐集した資料は今なお重要な研究資源であり、文化資源でもある。
通常一般公開していない、正宗文庫の資料群を余すところなく詳細に解説。
正宗文庫の魅力に迫るとともに、歌人・国文学者正宗敦夫の多様な活動の実態を掘り起こす。
刊行にあたって 川崎剛志・小川剛生・神作研一
【特別寄稿】備前に万葉集の聖地あり 正宗千春
【座談会】九十周年の節目に、文庫のこれまでとこれから 小川剛生・川崎剛志・内池英樹・神作研一(司会)
第一部 正宗文庫の魅力
正宗文庫に伝わる戦国時代の書状について 内池英樹
近世前期備中国幕府代官関係史料 平田良行
正宗文庫蔵『定家自歌合』の位置 米田有里
岡山での漢和聯句ー郷土の学芸へのまなざし 小川剛生
土肥経平『備前名所記』 野澤真樹
大平忠叔覚書 丸井貴史
岡山県における正宗文庫の万葉集展示会 東城敏毅
正宗文庫のさまざまな優品ー陶器を中心に 太田珠音
第二部 正宗敦夫追跡
正宗敦夫略年譜・正宗家系図 小川剛生
吉備史談会と塚本吉彦 川崎剛志
正宗敦夫の『源氏物語』関連書目蒐集 新美哲彦
正宗敦夫の蒐集眼ー湯浅常山関連書物をめぐって 竹内洪介
「常磐会」と正宗敦夫 長福香菜
与謝野寛・晶子の岡山来訪と短歌 加藤美奈子
正宗敦夫の『桂園一枝』研究 神作研一
正宗敦夫と祖父金光鑑太郎 金光研治
正宗敦夫と川喜田半泥子ー書物と陶芸をめぐる交流 青山英正
附 編
【読書案内】正宗文庫と正宗敦夫を知るために 小川剛生
財団法人正宗文庫 閲覧規定(抄)
【歩み】岡山県立博物館での正宗文庫展 内池英樹・平田良行
【歩み】備前市美術館企画展「正宗文庫の小宇宙 敦夫の愛した選りすぐり」
太田珠音
【紹介】ノートルダム清心女子大学 特殊文庫ー「黒川文庫」と「正宗敦夫文庫」
東城敏毅
【紹介】財団法人正宗文庫・国文学研究資料館・ノートルダム清心女子大学編
「正宗敦夫収集善本叢書」 新美哲彦
【紹介】財団法人正宗文庫監修・小川剛生編注
『正宗敦夫文集1・2-ふぐらにこもりて』
青山英正
【書評】神作研一著『てのひらの江戸ー古典籍を旅する』 小林ふみ子