あらすじ・内容紹介
思わず落涙。重いテーマの本だが
この道は希望へと続いている。
安心して読まれたし。
ーー夢枕獏(選考委員)
「解放」と「再生」の物語。
“かく生きた、生きている”瞬間に
何度も胸が震えた。
ーー朝井まかて(選考委員)
第14回山田風太郎賞受賞作
読書メーター読みたい本ランキング第1位
(単行本月間 2023年5月19日〜6月18日)
書き下ろし掌編を収録
宮城県の港町に暮らす高校2年生の 小羽(こはね)、航平、凜子は家族の介護と家事に忙殺され、鬱屈を抱えていた。そんな3人が、町にやって来た女性・青葉の理解と支援で前向きになっていった矢先、2011年3月の震災により全てが一変してしまう。2022年7月。震災時の後悔と傷を抱えながら看護師になった小羽は、旧友たちと再会。それを機に、過去や青葉の秘密と向き合うことになる……。著者あとがき=前川ほまれ/解説=瀧井朝世
■解説より
ヤングケアラーや震災の被災者、あるいは難病の患者がそばにいた時、どんな言葉をかけ、どんな働きかけをするのが正解なのだろう。(中略)ただ、少なくとも表面だけを見て「可哀想な人」「同情すべき人」と見なすことは短絡的だと、本書は感じさせてくれる。三人の高校時代に思春期らしいきらめきがあったように、大人になった三人が、辛さを抱えながらも明るい笑顔を見せるひとときがあるように、辛い思いをしている人の人生にも、晴れ間はある。(中略)と同時に、ずっと苦しい状況にいる人が笑顔を見せたからといって、立ち直ったと決めつけてしまっていいはずがない。感情の波の幅を、行きつ戻りつしながら進んでいくのが人間なのだ。それが生活というものだ。そしてだからこそ、終盤に広がる光景は、貴重で、かけがえのないものなのだ。
ーー瀧井朝世